キッチンカー・移動販売に必要な保険の種類について解説
キッチンカー・移動販売に必要な保険の種類について解説
公開日:2023年8月18日キッチンカー(移動販売)をいざ開業するにあたって、気になるのが「保険」ですよね。どんなに注意していても、事故やケガなどが起こる確率はゼロではありません。
また、キッチンカーではどのようなトラブルが起こりやすいのか、万が一起こってしまったときに補償してくれる保険はどれなのかも、事前にしっかり知っておきたいところです。
今回の記事では、キッチンカーオーナーの大半が加入している「自動車保険(任意)」「PL保険(生産物賠償責任保険)」「施設賠償責任保険」の3種類について解説します。
各保険のメリット・デメリット、適用範囲のほか、保険に加入する際の窓口についても併せて紹介しています。ぜひ最後まで目を通して下さいね。
目次
キッチンカーの保険【1】自動車保険(任意)
「自動車保険(任意)」は、交通事故等の損害に備えてキッチンカー車両に対してかける保険です。ですが、補償の範囲が幅広く、相手への補償・自分への補償・車両への補償の3つに対して高額な補償を受けられます。
加入が義務づけられている「自賠責保険」の場合、補償額は最大4,000万円までです。
ですが、万が一交通事故を起こしてしまい、相手に後遺症が残ったり、亡くなった場合は、その金額で済むことはほとんどありません。
業務で一日中使用するキッチンカー車両は、自家用車よりも事故が起こる危険性が高くなります。開業時に入っておくべき保険だと言えるでしょう。
ちなみに、自動車保険の適用範囲は、ナットやボルトなどで車両に固定された部分のみです。積んであるだけの調理機器や厨房設備などは補償対象にならないので、注意しましょう。
メリット:多額の補償金+従業員のケガにも対応
「自動車保険(任意)」の最大のメリットは、多額の補償金を受け取れることです。
交通事故を起こすと、相手への賠償金、自分の医療費、車両修理費など、多額の費用が必要になります。任意の自動車保険はそれらの全額を補償してくれるものが多いので、加入をおすすめします。
また、法人向けのコースの中には、従業員のケガにも対応しているものもあります。自分以外のスタッフがいる場合はそれらもおすすめです。
デメリット:自家用車よりも高い
キッチンカー(移動販売)の車両で「自動車保険(任意)」に加入する場合、自家用車の保険料よりも高額になることが一般的です。
車両の使用目的が業務用であることや、「セカンドカー割引」を適用できないことなどが主な理由です。
キッチンカーには車両保険もつけるべき?
「車両保険」は、自分の車両修理費を補償する保険です。そのため、現役オーナーにも入っていない人はたくさんいます。
下記のような場合はゆっくり検討してからでも大丈夫でしょう。
・近場や慣れた場所にしか出店しない。
・運転しやすい車両を使っている。
・少しの損傷であれば自分で修理する。
車両保険は、保険会社によって適用条件がかなり異なります。自分が希望している補償をしてくれるのかどうか、加入前にしっかり確認しておきましょう。
8ナンバーの自動車保険
8ナンバーには、メリット・デメリットどちらもあります。現役オーナーの意見もかなり賛否両論なので、自分に適しているかどうかをよく検討したうえで取得しましょう。
【メリット】
・2年に一度の車検で済む。
・厨房設備や調理器具などを荷台に搭載乗せたままでも車検を受けられる。
【デメリット】
・8ナンバーを取得するために、細かい構造変更をすべて満たす必要がある。
・車両製作にかかる費用が、他のナンバーよりも高くなりやすい。
・8ナンバー車両の自動車保険を取り扱う保険会社が少ない。費用も比較的高額。
キッチンカーの保険【2】PL保険(生産物賠償責任保険)
「PL保険(生産物賠償責任保険)」は、作った商品が原因となってお客さんに損害を与えてしまった際の補償です。
キッチンカー(移動販売)で起こりやすいのは、下記のようなケースです。
・食中毒
・料理やドリンクをこぼして火傷をさせてしまった。服を汚してしまった。
キッチンカーの車両内はスペースが限られており、かつ高温・多湿になりやすい環境です。安心して事業を行うためにも、加入しておくことをおすすめします。
メリット1:食品が原因で損害を与えた場合の補償
食品が原因で損害を与えてしまった場合、補償額は数十万~数百万円が一般的です。大規模な食中毒の場合は、数百万円単位になってしまうこともあります。
食中毒は、一度起こすと業界やお客さんなどに知れ渡り、事業を続けにくくなります。そのような状況で数百万円なんて大金を支払えるでしょうか。
また、キッチンカー(移動販売)の車内は食中毒が起こりやすい環境でもあります。開業の際には必ず入っておきましょう。
メリット2:出店場所の範囲が広がる
近年、キッチンカー(移動販売)の出店場所やイベントでは、応募要項の必須条件として「PL保険(生産物賠償責任保険)加入」を挙げているところが増えています。
キッチンカーはかなり新しい業態のため、これまでは保険や車両の構造変更などに徹底しきれていない部分がありました。
ですが、食品衛生法の改正の影響などもあり、そういったところがどんどん改善されてきています。
PL保険は、出店場所を広げられるという意味でも、決して入っておいて損はない保険です。
キッチンカーの保険【3】施設賠償責任保険
「施設賠償責任保険」は、車両や設備、PRアイテムなどが原因でお客さんや通行人などに損害を与えてしまった場合の補償です。
キッチンカー(移動販売)でよく起こるのは、下記のようなケースです。
・受取口の屋根が突然閉まったせいで、お客さんにケガをさせてしまった。
・看板が倒れたせいで、通行人にケガをさせてしまった。
キッチンカーは、限られたスペースの中で調理・接客を一人で行うことが多いため、このような事故が起こりやすくなります。
ちなみに、車両設備が原因になっている損害は、PL保険(生産物賠償責任保険)でも一部補償されます。ですが、すべてに対応できるわけではありません。
安心して営業するために、施設賠償責任保険にも入っておくことをおすすめします。
キッチンカー向けの保険はどこで入れる?
キッチンカー(移動販売)向けの保険に加入できる場所は、主に下記の4ヶ所です。
・公益社団法人日本食品衛生協会といった飲食業界の団体
・商工会議所
・保険会社
・キッチンカービジネスの関連企業
「日本食品衛生協会」は、キッチンカー開業の際に必要となる「食品衛生責任者」の講習を主催している団体です。保険や共済制度なども取り扱っているので、開業前にそういった相談をしておくのもおすすめです。
「商工会議所」は、出店場所を探したり融資を受けたりと、キッチンカービジネスで何かと活用することの多い団体です。ビジネス全体を補償してくれる「ビジネス総合保険」もあるので、ぜひチェックしてみて下さい。
まとめ:キッチンカーには「総合保険型」もおすすめ
今回は、キッチンカー(移動販売)の事業を行うにあたって入っておくべき主な保険3種類について解説しました。
それぞれの保険ごとに適用範囲を紹介しましたが、「わかりにくい」という人にはこれらに幅広く対応している「総合保険型」や「トータルサポート」などの保険がおすすめです。
保険会社やコースなどによって補償の対象が異なるので、しっかりと比べてみて下さい。
キッチンカー向けの保険は、キッチンカービジネスで関わりが深い日本食品衛生協会や商工会議所のほか、様々な保険会社やコンサル会社からも販売されています。
保険料をインターネット上で計算できるところも多いので、関心のある保険を見つけたらぜひ試してみましょう。
キッチンカーは、手間ひまかけて準備して、けっして安くはない費用をかけてスタートする自分自身の事業です。安心して長く続けていけるよう、保険には加入することをおすすめします。
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