キッチンカーの維持費はどれくらい?開業前に知っておきたい運転資金
キッチンカーの維持費はどれくらい?開業前に知っておきたい運転資金
公開日:2023年7月21日「キッチンカー(移動販売)を始めたい!」と決めたとき、多くの人は初期費用ばかりに目が行ってしまい、開業後の運転資金についてはおろそかになってしまいがちです。
車両の製作・購入というかなり大きな買い物が必要なので、しかたのないことではありますよね。
ですが、数年以上キッチンカーを経営している現役オーナーによる体験談を読むと、「初期費用はできるだけ抑え、開業後の運転資金にまわすべきだった」という感想の人がほとんどです。
そこで、今回の記事では「開業した後に継続してかかる運転資金」をテーマに解説します。原価率と11種類の経費について、具体的にはどのようなものがあるのか、どの程度が一般的などについてまとめています。
運転資金は、開業前にある程度シミュレーションできます。ぜひ一つ一つの項目をチェックし、ご自分のキッチンカーに活かして下さい。
キッチンカーの「原価率」 目安は約30%
「原価」とは、提供する料理を作るために必要な食材費用です。この原価が売上のどの程度を占めているのかを表したものを「原価率」と言います。
飲食店業界では、一般的に原価率は30%以下が理想だと言われています。キッチンカー(移動販売)でも、それを目安にしているオーナーが大半です。
もちろん、原価率はオーナー本人が自由に決められます。クオリティにこだわり、より高い原価率を設定することもできます。ですが、安定的に長く運営を続けるためには30%以下がおすすめです。
そして、「原価+経費の割合の合計が50%以下」になることが理想です。原価率30%+経費20%=50%前後という数字を忘れないようにしましょう。
キッチンカーの維持費 具体的な内訳を紹介!
ここからは、キッチンカー(移動販売)を営業する際、実際にかかる11種類の経費について解説します。おおよその運転資金が掴めるようになるので、ぜひチェックしておきましょう。
ですが、キッチンカーは、提供する料理も車体のサイズも出店場所の範囲も、何もかもオーナーごとに大きく異なります。それを踏まえて費用の参考にしていただければ幸いです。
ここでは、特に人気が高いクレープ店を紹介しています。クレープと数種類のドリンクを同時販売する店の運転資金として、費用やその相場などのイメージを掴んで下さいね。
【1】「交通費」の内容は主にガソリン代
売上に対する「交通費」の目安は、2~5%程度です。交通費には主に下記の2つが含まれます。
・出店日にかかるガソリン代や高速道路料金
・食材を仕入れる際に必要になるガソリン代
ちなみに、売上の2%程度の交通費は、軽トラック(軽トラ)を使い、普段は住んでいる都道府県内だけに出店し、最大でも60km圏内に営業する場合です。
【2】コストカットしやすい「包装資材費」
売上に対する「包装資材費」の目安は、2%以下です。
料理を提供する際に必要になる、スプーンやお箸などの食器、テイクアウト用のビニール袋、クレープなどの包み紙、ドリンク用のカップ、食事系メニューに必要になるランチボックスなどです。
容器やレジ袋などにオリジナルのロゴを入れると、確かに特別感が出ますが、単価も上がってしまいます。リーズナブルな商品にもシンプルでおしゃれなものはたくさんあるので、最初はそちらをおすすめします。
【3】SNSの活用で抑えやすい「販促費」
売上に対する「販促費」の目安は、0.5%程度です。
のぼりや看板などの製作費、ホームページやブログの製作費・維持費など、集客のために必要となるツールの製作費用です。
ですが、近年はホームページやブログよりもSNSのほうが効果があるため、現役オーナーのほとんどはTwitterとInstagramを使っています。料理の写真に興味を惹かれるお客さんはとても多いので、開業前に開設しておきましょう。
また、SNSは、当日になって行けなくなった際の情報発信にも便利です。
【4】調理用の消耗品や季節の飾りは「消耗品」
売上に対する「消耗品」の目安は、0.5%程度です。主な内容としては、調理用の消耗品、文具、季節ごとの店の装飾などが挙げられます。
【5】水道代・電気代・ガス代の「水道光熱費」
売上に対する「水道光熱費」の目安は、1.6%程度です。水道代・電気代・ガス代、プロパンガス購入費、発電機の燃料費などが挙げられます。
営業中だけではなく、仕込み時や事務作業時などの分も含まれます。また、「事業用」と「自宅用」に分けて計上するのを忘れないようにして下さい。
【6】車種によってはっきり決まる「車両維持費」
「車両維持費」の目安は、15万円程度です。主に下記の4つが必要になります。
・自動車保険料
・自動車税
・各種整備点検費用
・車検費用
車両維持費は車種によって決まり、購入後の大幅なコストカットは望めません。製作・購入前には細かくシミュレーションすることをおすすめします。
【7】幅広いトラブルに対応できる「PL保険料」
「PL保険料(生産物賠償責任保険)」は、年間5,000~10,000円程度です。キッチンカー(移動販売)事業が原因で起こった様々なトラブルを賠償するための保険です。
食中毒ややけどなどのほか、空調機の落下によるケガや、漏水等の事故などにも対応しています。
最近では、PL保険への加入を募集条件にしているイベントも増えてきています。開業時までには加入を済ませていることをおすすめします。
【8】出店エリアごとに必要になる「営業許可取得手数料」
「営業許可(飲食店営業許可)取得手数料」は、15,000~20,000円程度です。金額は自治体によって異なります。
営業許可は、出店エリアごとに取得する必要があることに注意しましょう。3つのエリアに出店する場合は、約15,000円×3つ必要です。
また、同じ都道府県内でも取得条件が統一されていないことが多いので、事前によく管轄の保健所に相談して下さい。
営業許可は、5年に一度の更新があります。
【9】ネットや携帯電話の「通信費」
売上に対する「通信費」の目安は、0.7%程度です。自宅で使用するインターネットや携帯電話の使用料も含まれます。
水道光熱費と同じように、「事業用」と「自宅用」を分けて計上しましょう。
【10】場所とイベントで大きく変わる「出店料」
売上に対する「出店料」の目安は、4.5%程度です。1日1,000円程度~100,000円以上と、出店場所やイベントによって大きく異なります。
比較的出店料が安いのは、スーパーやドラッグストアなどの駐車場、大学、公園、地元の小さなイベントなどです。平日に安定した利益を確保しやすい場所です。
大規模なイベントは、成功すれば1日で何十万円という売上を作れますが、どこも出店料が非常に高額です。また、食材の管理や人件費など、注意しなければならない点も多いので、営業に慣れてきてから挑戦することをおすすめします。
【11】仕込み場所の家賃や駐車場代などの「その他」
「その他」には、仕込み場所の家賃や駐車場代などが含まれます。
仕込み場所の家賃はかなりの負担なので、できるだけ下記のような工夫でコストカットしましょう。
・レンタルキッチンを借りる。
・飲食店の居抜き物件を借り、仕込み場として使う。
・知り合いの飲食店経営者に安く借りる。
・同業者同士で仕込み場所をシェアする。
・仕込み可のキッチンカーを製作する(1.5tトラック以上が必要)
ちなみに、自宅を仕込み場所として使うことは許可されません。注意して下さい。
まとめ:キッチンカーの運転資金がわかればコストカットにも便利!
キッチンカー(移動販売)の運営には、原価+11種類の経費が必要です。それらの合計が50%以下になることを目安に営業している現役オーナーが多い印象です。
各項目にどのような維持費や費用などが含まれているかわかると、コストカットもしやすくなります。特に、出店料、交通費、仕込み場の家賃などは比較的経費削減しやすいので、ぜひ再確認してみて下さい。
「遠距離の大規模イベントで一気に稼ぐ!」は今後の目標にして、まずは安定した営業を続けてゆくことから始めましょう。
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