キッチンカーの起業に必要な資金と許可申請について解説
キッチンカーの起業に必要な資金と許可申請について解説
公開日:2021年9月19日 2024年1月12日 更新最近の飲食業界はテイクアウトの需要が増え、移動販売をメインとするキッチンカーに注目が集まるようになりました。起業する場合にも、店舗を借りるのに比べ小さな投資額で抑えられるところも人気のポイントとなっていますが、具体的にはどれくらいの資金が必要になるのでしょうか。
今回は、キッチンカーを起業する際に必要な資金と許可申請について解説していきます。
目次
キッチンカーの起業に必要な資金
キッチンカーの起業に必要な資金は、キッチンカーの種類によっても異なりますが、一般的には最低でも300万円が必要と考えられています。資金計画を明確にしていくために、どのような費用が必要なのか、細かく確認していきましょう。
キッチンカーの用意
キッチンカーを使って起業するとき、キッチンカーを購入する方法とレンタルする方法があります。
購入する場合も、既存の車を改造する、専用に製作された車両を購入するなど色々な選択肢があります。
自分で改造する場合は手間や技術も必要となる上、車検など法規上の問題も出てくるため、知識がない方はおススメ出来ません。
知識や技術に自信に無い方は、専門店に依頼するのが得策でしょう。
レンタルする場合、1日の費用は約5万円程度、1週間レンタルした場合は約20万円ほどになります。半年、1年など長期間レンタルする場合は1か月で30万円程度など割安になってきます。
レンタルの場合、初期費用は抑えられますが長期的にみればかなりの出費になりますし、自分で改造もできないため制約も多い方法になります。
調理器具の調達
食べ物を販売するキッチンカーでは、調理器具の調達も外すことはできません。
どのような商品を販売するかで費用は大きく変わります。
例えば、鉄板を付けたグリルを用意する場合は10万円前後ですが、これも種類によってピンからキリまであるので費用には相当な幅が出てきます。どこまで設備に投資するのか、ビジネスプランに合わせた選択が求められます。
容器・販促品の調達
調理したものをそのまま渡すわけにはいかないので、袋やパックなどの容器も用意しなければなりません。店舗とは異なり使い捨てのものになるため、在庫を切らさないように常備しておく必要があります。
さらにメニューやチラシ、看板、のぼり、ショップカードなども合わせて用意します。
この費用も何をどこまで準備するかによって費用は異なってきますが、看板の作成で2万円程度、チラシ作成も2万円くらいを考えておけば問題ないでしょう。
その他運転費用
その他の費用として、キッチンカーの維持費や保険料、車検にかかる費用も事業計画に入れておく必要があります。出店料を取られるケースがあるため、キッチンカーを出店する予定の場所が決まれば確認しておくようにしましょう。
・維持費
駐車場などの維持費は地域によって大きな差があります。数千円から数万円まで差がありますが、駐車場を借りる場所については機動性が落ちない配慮が必要です。
その他の維持費として、保険料や車検代も必要になります。こちらは車両の種類や等級によって異なりますので、確認しておきましょう。
・出店料
出店料も地域や条件によって差があり、1日数千円から1万円以上かかるところまで様々です。
集客にかかわる大事なポイントになるので、周辺の環境やイベントの内容などを確認・リサーチして判断しましょう。
以上のように、起業して稼働させるまでには様々な費用が発生します。最も費用がかかるのはキッチンカーの準備になりますが、自動車ローンを活用することで開業に必要な初期費用を抑えることもできます。
さらに収益が軌道に乗るまでの時間も考慮する必要があり、月々のコスト50万円の事業を3か月で軌道に乗せると考えた場合、運転資金50万円×3か月+自身の生活費×3か月で200万円ほどを準備しておかなければならないことを計画に入れておきましょう。
キッチンカーの起業に必要な許可申請
キッチンカーで起業する場合、保健所で必ず営業許可を取らなければいけません。
都道府県の営業許可が必要になり、営業する内容に応じて2種類あります。重要なポイントになるので営業許可の内容について確認していきましょう。
1 食品営業自動車
車内で簡易的な調理をする場合には食品営業自動車という分類になります。
飲食店営業の営業許可が必要になり、「販売する地域」の保健所にて申請・取得を行う必要があります。販売する地域によって、1つの営業許可で県内で販売できる場合と、販売を行う地域全ての保健所に申請・取得が必要になる場合がありますので各自治体に確認をしておきましょう。
許可申請に必要な費用も異なり、1万円から2万円弱まで様々です。
2 食品移動自動車
車内では調理加工をせずに、移動して販売することのみを目的とした業態はこちらになります。
あらかじめ調理した商品を販売するなら、こちらの営業許可で問題ありません。
注意点は、あらかじめ梱包されていなければいけないという規定がある点で、移動スーパーや移動コンビニもこちらに該当します。
食品営業自動車と同じように保健所への申請となりますが、費用は1万円程度になります。
3 仕込み場所の営業許可
キッチンカーの車内は店舗と比較すると設備が不完全で、衛生管理が万全であるとは言い切れないため、車内でできる調理は焼くだけ、揚げるだけなどの簡易的な調理や盛り付けのみに限られています。そのため、車内とは別の場所で仕込みを行う必要があります。
仕込み場所として使えるのは、営業許可を取得した飲食店や施設という制限があります。しかし、必ずしも自分で営業許可を取得する必要はなく、許可を取得した施設が使用できれば問題ありません。
飲食店を経営している友人や知人がいればキッチンを使わせてもらうこともできます。共同で利用できるキッチンや、キッチンつき施設のレンタルサービス、フランチャイズに加盟して利用するという方法もあります。
仮に仕込みが必要のないものを販売するとしても、キッチンカーのタンクへ給水を行う必要はありますが、給水のみであれば許可を必要とはしないため自宅でも可能です。
2021年6月の法改正により、200リットル以上のタンクを搭載しているキッチンカーであれば、車内でも仕込みができるようになりました。
しかし、200リットル以上のタンクに給水すると、200Kg以上の重量が発生するため、積載要領の問題も加味しなければなりません。他の設備と合わせると軽車両での営業は難しくなる可能性がありますので、ここもキッチンカーを製作する前に計画しておくようにしましょう。
保健所がチェックするポイント
保健所で許可を申請する場合、設備が要件を満たしているかが重要なポイントになります。この部分も自治体や販売する商品によって異なっています。
例えば、タンクについての設備要件を見てみると、東京都では40・80・200リットル以上という区分があります。うどんやそばなどであれば、大量の水が必要なため、200リットル以上でなければいけません。
80リットルは、飲食店営業として商品が複数ある場合、40リットルは喫茶店営業となり、大量の水は使わないうえに単一品目の販売を行う場合になります。
石鹸が常備されているかもチェックされますし、換気や棚の設置、排水設備の容量も大切です。
シンクの数がチェックされるケースもあります。自治体によって違いがあるので、キッチンカーの製作段階から事前に確認しておきましょう。
また、仕込みを行う場所についても必ず確認されるポイントになりますので、営業許可を受けた施設を確保しておきましょう。
キッチンカーの起業は魅力がある
一般的な店舗で起業する場合、居抜きで安く上げたとしても、事業の運転資金も含め1,000万円は用意しなければいけません。キッチンカーなら、その半分ほどの費用で起業できる計算です。
自分で運転して調理し販売する形になるので、人件費も最低限に抑えることができます。
店舗家賃もかからないため、実際の維持費は駐車場と保険料程度で、出店料をうまくコントロールすれば、運転資金はかなり抑えられるでしょう。
顧客のニーズやセグメントに合わせたメニューの変更も簡単で、一般の店舗ではなかなかできないことがキッチンカーなら柔軟に対応できます。
キッチンカーには多くのの魅力がありますので、許可申請も含め細かな点に配慮しながら計画を練っていきましょう。
キッチンカーの起業をご検討の際にはフジカーズジャパンにご相談ください。キッチンカーの製作、販売や整備だけでなく開業に関するご相談もお受けしております。
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