焼き芋屋さんのキッチンカー(移動販売車)のメリットと必要な許可
焼き芋屋さんのキッチンカー(移動販売車)のメリットと必要な許可
公開日:2022年11月18日 2024年6月28日 更新昔から愛されてきた冬の定番おやつ・焼き芋は、キッチンカー(移動販売)でも人気メニューです。
あの提灯を目にしたり、匂いが漂ってくると、冬の訪れを実感する人も多いのではないでしょうか。
そんな冬の風物詩とも呼べる焼き芋ですが、実は2~3年前から「第4次ブーム」が到来しています。
これまで、焼き芋はどちらかというと中高年や子ども中心に人気がありました。
ですが、今回は、若い人、特に若い女性にブームが広がっていることがこれまでとは大きく異なっています。
このようなブームも背景にあり、キッチンカーで焼き芋屋さんを開業する人が増えています。そこで、今回の記事では、焼き芋でキッチンカーを開業するメリット4点や、開業方法などについて解説します。
焼き芋屋さんのキッチンカーは、他のメニューにはないメリットがたくさんあります。ぜひ参考にして、スムーズな開業をめざして下さいね。
目次
焼き芋屋さんのキッチンカー開業には営業許可がいらない?
キッチンカー(移動販売)で焼き芋屋さんを開業する場合、営業許可(飲食店営業許可)は必要ないというのは、本当です。
営業許可は、キッチンカーの車両内で食品を「調理」する場合に必要です。単に焼き芋を加熱するだけであれば、それは食品衛生法で調理と見なされません。
そのため、焼き芋屋さんを開業するために営業許可は要らないのです。
焼き芋屋さんのメリット(1)営業許可なしでOK
上段で紹介したように、キッチンカー(移動販売)で焼き芋屋さんを開業する場合、営業許可(飲食店営業許可)は要りません。
そのため、営業許可の取得にかかる準備ももちろん不要です。
保健所とのやりとりや車両製作、営業許可の申請費など、他のメニューで開業する場合よりもずっと時間とコストを抑えられます。
営業許可取得は、キッチンカー開業準備の中でもかなり大きな時間とコストを占めています。それが一切かからないというのは、とても大きなメリットと言えるでしょう。
焼き芋屋さんのメリット(2)キッチンカーの大人気メニュー
キッチンカー(移動販売)は、基本的に「王道・定番」メニューのほうが人気が出やすい傾向にあります。スイーツの場合、クレープやパフェなど、誰にでも味がイメージできて、好きな人が多いメニューです。
その点、焼き芋は世代を問わず、誰でも知っているスイーツです。
また、焼き芋には流行り廃りがないところが大きな強みです。今は「第4次ブーム」と言われていますが、それがおさまっても急激に売れなくなることはないでしょう。
焼き芋屋さんのメリット(3)アレンジメニューを作りやすい
焼き芋でキッチンカー(移動販売)を開業するメリットは「アレンジのバリエーションが豊富」なことです。
現在第4次ブームが起きている焼き芋は、焼き芋パフェや焼き芋ブリュレといった「進化系スイーツ」を作りやすく、特に若い女性中心に人気を集めています。
このブームを狙うのであれば、ビジネス街や大学、女性向けマルシェに出店することをおすすめします。
キッチンカーは、手軽に数種類のアレンジを作り出せるメニュー選びが大切なので、焼き芋はその点もメリットがあります。
・焼き芋にバターやはちみつをのせる。
・焼き芋にアイスをのせる。
上記のような王道のアレンジは、特に人気が高いです。
ですが、焼き芋のアレンジには注意点があります。それは、加熱以外はほとんど「調理」だと見なされてしまうことです。例えば、焼き芋に塩をふる、バターやはちみつをかけることは、どこの保健所でも調理と見なすでしょう。
その場合は営業許可を取得する必要があるので、注意して下さい。
焼き芋屋さんのメリット(3)初期・設備費用と原価が安い
キッチンカー(移動販売)で焼き芋屋さんを開業するメリットに、初期費用や原価の安さがあります。
焼き芋を加熱して販売するだけの場合、開業時に必要になるのは、車両、焼き芋機、保温機、そして宣伝用ののれんやスピーカーだけです。少しでも費用を抑えておきたい開業時にはとても助かります。
営業許可も要らないので、保健所の許可がおりるような車両製作をしなくて済みます。
さらに、焼き芋は原価が安いので、利益率がかなり高い点も大きなメリットです。
さつまいもの原価は1本約50~80円が相場ですが、それを1本400円で販売すると約350円が利益になります。
少し高価な品種のさつまいもにしたり、トッピングを加えたとしても、他のメニューに比べれば大きな利益が見込めるでしょう。
キッチンカーで焼き芋屋さんを開業するデメリットとは?
メリットが多い焼き芋屋さんのキッチンカー(移動販売)開業ですが、もちろんデメリットもあります。
(1)出店場所を確保しにくい。
(2)コンビニやスーパーでも売っていて、競合が多い。
(3)夏場は焼き芋以外の別メニューを考える必要がある。
(1)焼き芋屋さんのキッチンカーは、出店場所を確保するのが難しいというデメリットがあります。駅前や住宅街などは、すでに先輩オーナーに取られていることがほとんどです。
(2)焼き芋は競合が多く、秋冬には様々なところで販売しています。ただの焼き芋ではなく、本格的な石焼きや進化系スイーツなどで差をつけましょう。
(3)焼き芋屋さんは、夏場にはできるだけ焼き芋以外のメニューを販売することをおすすめします。冷やし芋や焼き芋のアイス、シェイクなどに変更する人も多いようです。
また、焼き芋は秋冬限定だと割り切り、夏はそれ以外のごはんものや軽食系にするのもよいでしょう。
必要な資格・許可は?
加熱のみであれば、焼き芋屋さんは営業許可なしでキッチンカー(移動販売)を開業できます。
そのため、ここでは、営業許可以外に必要となる資格や許可について解説します。
焼き芋屋さんに必要(1)食品衛生責任者証
キッチンカー(移動販売)で焼き芋屋さんを開業する際、必要な資格・許可は「食品衛生責任者証」です。
計6時間の養成講習会を受講すれば1日で取得できます。ですが、1~2ヶ月先まで予定が埋まっていることもあるため、できるだけ早めに申し込んでおきましょう。
受講料は約1万円前後ですが、都道府県ごとに異なります。
焼き芋屋さんに必要(2)営業の届出
2021年6月1日の食品衛生法の改定によって、キッチンカー(移動販売)で焼き芋屋さんを開業する場合にも、保健所への「営業の届出」が必要になりました。
営業許可とは異なり、「届出」は開業前に保健所の審査がありません。
申請には様々な添付書類が要るので、期限前にしっかり準備しておくことをおすすめします。手数料は不要です。
キッチンカーで焼き芋屋さん 開業に必要な設備は?
キッチンカー(移動販売)で焼き芋屋さんを開業する場合、必要になるのは主に下記のような設備です。
・焼き芋機(焼き窯)
・保温機
・のれん、提灯、タペストリー、スタンド看板といったPRの道具
・スピーカー
スピーカーはたしかに広い範囲に向けて宣伝できますが、近年ビジネス街や住宅街ではあまり好まれないか、もしくは禁止されている場合があります。事前に保健所に確認したり、調査したりしましょう。
まとめ:焼き芋屋さんのキッチンカー開業はハードルの低さがメリット
メニュー選びがとても大切なキッチンカー(移動販売)。開業の際には、昔から愛されてきた冬の名物詩・焼き芋を選ぶのもおすすめです。
焼き芋屋さんがおすすめできる理由は主に3つあります。
キッチンカーのメニューは定番・王道のほうが人気が出やすいこと、焼き芋はアレンジメニューを増やしやすいこと、そして進化系スイーツに影響を受けた「第4次ブーム」という背景です。
焼き芋屋さんは、他のメニューで開業するよりもかなりハードルが低い点が大きなメリットです。開業時に営業許可が要らないので、その準備にかかる時間や手間が大幅にカットできます。
ですが、焼き芋に塩やバター、バニラをかけるなどの加工があると、調理に見なされるようになります。その場合は営業許可が必要になるので、気をつけましょう。
夏場と冬場で提供メニュ―を分けると、さらに安定した売上が見込めます。
世代を問わず愛され、流行にも左右されない焼き芋で、自分らしいキッチンカーを開業しましょう。
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