キッチンカーのサイズ別の特徴とは?サイズ選びのポイント
キッチンカーのサイズ別の特徴とは?サイズ選びのポイント
公開日:2022年5月13日 2024年6月28日 更新キッチンカー(移動販売)になくてはならないのが、車両です。キッチンと移動手段の両方を担っています。
車両製作は開業資金の多くを占めているため、いざ選ぶ段階になると迷ってしまう人もたくさんいるでしょう。メニューや出店場所のようにすぐ変えるわけにもいきません。
ですが、「サイズ選びのポイント」、つまり「判断基準」さえ分かれば、ぐっと決めやすくなるはずです。
今回の記事では、キッチンカーのサイズを小型・中型・大型に分けて解説しています。各サイズの特徴やメリット・デメリットなどを比較することで、ずいぶん選びやすくなるでしょう。また、それぞれのサイズはどんなオーナーにおすすめかも一緒に紹介しているので、ぜひ参考にしてみて下さいね。
目次
【1】小型車両(軽自動車)でキッチンカー 特徴と人気車種
小型車両のキッチンカーは、軽トラックや軽バンなどをベースにし、キッチン設備を搭載したものです。分類上は「軽自動車」です。
軽トラックはスズキの「キャリイ」、軽バンはダイハツの「ハイゼットバン」などが人気車種です。
(1)小型サイズのキッチンカー メリット・デメリットは?
小型車両はとにかくメリットが多く、現役オーナーからとても人気があります。
・小回りが利き、狭い場所にも出店できる
・軽食だけではなく、麺類やランチメニューも可能
・カラーバリエーション豊富な車種が多く、おしゃれな外装にしやすい
・軽自動車のため、車検や税金、ガソリン代などの維持費が安い
・人気車種なので、内外装の揃った中古車が手に入りやすい
軽トラックをベースにしている場合、荷台にキッチン部分を載せるので、大人2名が立ったまま調理できる高さと広さがあります。
一方、軽バンはそれができません。座ったままの作業になるので、足腰や肩に負担がかかります。
小型車両のデメリットは、積み込めるスペースがかなり限られているため、長時間のイベントには向かない点です。また、給排水タンクが最大80Lなので、車内での仕込みはできず、調理も2工程ほどまでに制限されています。
(2)小型車両のキッチンカーで調理できるメニュー
荷台にキッチンを載せる軽トラックには、十分な広さがあります。そのため、軽自動車ながら、麵を茹でたりピザを焼いたりといったような大きな動作が必要なメニューでも大丈夫です。
軽バンは車内に座ったままなので、そういったメニューは難しいでしょう。ドリンクやクレープ、たこ焼きといった、簡単で小さな動作だけで作れるメニューがおすすめです。
(3)小型車両をおすすめできるオーナーは?
小型車両はとても運転しやすいため、オフィス街のランチタイムに出店する人にぴったりです。都心の小さな駐車場にも難なく停められます。また、路地やスーパーの駐車場などの、かなり狭い場所へ出店していきたい人にも向いています。
色数豊富な車種が多いので、外装に凝った店づくりをしたい人にもおすすめです。
軽トラックは、基本的にはどのメニューでも対応できます。「車内で本格的な調理がしたい」「複数メニューを希望している」という人でなければ、メリットのほうが多いでしょう。
軽バンは、ドリンクや軽食中心の人におすすめです。また、まずは安いキッチンカーで開業したい人や、仕入れたものを販売するだけという人にも最適です。
【2】中型車両(1t以上)でキッチンカー 特徴と人気車種
中型車両のキッチンカーは、1t~1.5tトラックを改造して各種設備を搭載したものです。分類上は「普通車」です。
トヨタの「タウンエース」、マツダ「ボンゴ」、日産「バネット」などが人気車種です。
(1)中型サイズのキッチンカー メリット・デメリットは?
中型サイズのメリットは、調理面でできることが格段に増えるところです。
最大容量である200Lの給排水タンクを搭載できるので、車内での仕込みや複数工程の調理が実現します。
小型車両に比べて車体は大きくなりますが、運転のしやすさも兼ね備えています。普通の駐車場であれば難なく停められるので、オフィス街への出店もできるでしょう。
デメリットは、狭い駐車場や路地などには入れないため、出店できなくなる場所もあることです。一部、イベントなどに変更する必要があるでしょう。
また、車両の大きさに比例して、どうしても購入費や維持費などが増える点です。
(2)中型車両のキッチンカーで調理できるメニュー
大容量の給排水タンクや冷蔵庫などを搭載できるので、中型車両はメニューを制限されることがあまりありません。2名以上で調理でき、複数メニューの提供も可能です。
(3)中型車両をおすすめできるオーナーは?
中型車両は、本格的な調理用機材を積み込めるキッチンスペースと、運転のしやすさを併せ持っています。そのため、オフィス街やイベントといったさまざまな場所で、ある程度味にこだわった料理を提供したい人におすすめです。
また、走行性能も高いので、高速道路の利用や、広いエリアに出店することを考えている人にも最適でしょう。
【3】大型車両(1.5t以上)でキッチンカー 特徴と人気車種
大型車両は、1.5t以上のトラックをベースにしたキッチンカーです。普通免許で運転できるキッチンカーの中では最も大きなサイズです。
トヨタ「ダイナ」、マツダ「タイタン」、いすゞ「エルフトラック」などが人気車種です。
(1)大型サイズのキッチンカー メリット・デメリットは?
大型車両は、かなり店舗型に近い本格的なキッチンを備えられます。そのため、調理における制限や課題などをほとんど解決できることが最大のメリットです。
200Lの給排水タンクを搭載可能なので、車内でほとんどの仕込みや複数工程の調理が実現できます。手間のかかる料理はもちろん、大人数のスタッフとともに複数のメニューを提供したい場合にも便利でしょう。
デメリットは、車両が大きくなった分だけ運転もしにくくなることです。分類上は「普通車」であっても、あまりこのサイズの運転に慣れていないと、最初のうちは難しく感じるかもしれません。
また、出店場所がかなり制限されるので、確保にも工夫が要ります。特に、平日のオフィス街や大学などは見込めなくなるので、イベントなどに切り替えましょう。
次に、大きさに比例して、製作コストや維持費が増えることです。キッチンだけではなく、横断幕や看板といった販促物にも関係するでしょう。さらに、内外装の清掃やキッチンのメンテナンスなどにも時間とコストがかかります。
(2)大型車両のキッチンカーで調理できるメニュー
大型車両も、車両サイズによってメニューが制限されることはほとんどありません。キッチン設備に加えて、食材やスタッフもたくさん載せられるゆとりがあるので、希望通りのメニュー数を実現できるでしょう。
(3)大型車両をおすすめできるオーナーは?
大量の食材を積み込むことができ、複数人の調理スタッフが働けるため、大型イベントへの出店を計画している人に向いています。
ですが、購入費が高額で、平日の出店場所はなかなか確保できないので、初めてキッチンカーで開業する人にはあまりおすすめできません。
すでに店舗型の飲食店を経営している人、あるいは2台目のキッチンカー購入を考えている人にはメリットがあるでしょう。
まとめ:出店場所は車両サイズで決まる?小回りor積載量がポイント
車両には、サイズごとにメリット・デメリットがあります。
小回りのきく小型車両、ビジネス街にもイベントにも出店しやすい中型車両、そして店舗並のキッチン設備を実現できる大型車両というように、それぞれ大きく異なります。
「特徴はわかっても、自分のビジネスにはどれが合っているかわからない」という人は、まず「出店場所」をものさしにするのがおすすめです。
希望している出店場所をチェックし直し、サイズのメリットを活かせる車両を選べば、後悔することもなくなるでしょう。
本格的な設備や食材をたくさん搭載できても、出店できなければどうにもなりません。
そのためにも、「理想のビジネスイメージ」と「出店場所の確保」のバランスがうまく取れる車両サイズを選び、お客さんの前に立てるキッチンカーを手に入れましょう。
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