キッチンカーの食中毒発生事例!事例から汚染経路を知って予防しよう
キッチンカーの食中毒発生事例!事例から汚染経路を知って予防しよう
公開日:2024年1月19日キッチンカー(移動販売)は、他の飲食店よりも食中毒が発生しやすい業態です。
細菌やウイルスが増殖しやすい高温・多湿の環境であることに加えて、厨房スペースが非常に狭く、水や電気の使用量が限られているためです。
最も食中毒が発生しやすいのは梅雨から夏場にかけてですが、冬でも起こります。本記事で解説しますが、2023年11月にもキッチンカーで約60人の集団食中毒が起きました。
また、店舗型やチェーン店でも食中毒や異物混入が相次いでいるため、消費者は「食の安全」について、これまで以上にシビアになっています。
今回の記事では、「キッチンカーと食中毒対策」をテーマに解説します。具体的な事例や汚染経路、予防策について、改めて徹底して押さえておきましょう。
目次
【1】キッチンカーでの食中毒発生事例
つい先日、キッチンカー(移動販売)で提供したメニューが原因で集団食中毒が発生しました。ここでは、その概要や原因、指導内容について解説します。
実際の事件をもとに食中毒について学習し、自分の事業にも活かしてゆきましょう。
2023年11月よみうりランドの集団食中毒
2023年11月19日、キッチンカー(移動販売)が提供したメニューが原因で集団食中毒が起こりました。
よみうりランドで行われた「あくたーず☆りーぐ アートフェスタ in よみうりランド」のイベント会場にて、キッチンカー「NAOKI’S」が提供した「ハラミボックス」や「チキンボックス」を食べた62人が体調不良を訴えています。
管轄の保健所は、現在入院または重症化している人はいないと発表しています。
食中毒の原因
よみうりランドの集団食中毒は、「ウエルシュ菌」が原因だと見られています。ウエルシュ菌は、食後約10時間で下痢や腹痛などの症状が起こりますが、発熱や嘔吐はそれほどありません。
ウエルシュ菌は、キッチンカー(移動販売)での食中毒が起こりやすい菌の一種です。
20~50℃で最も増殖し、100℃で数時間加熱しても芽胞が死滅しません。主に、大鍋で大量に作り置きする料理で発生します。
そのため、今回の食中毒についても、肉の加熱不足や食材の常温保存などが原因だと考えられています。
ウエルシュ菌の発生を予防するためには、菌が最も増殖する10℃~55℃を避けて保存することが重要です。加熱後に保存する場合は、すみやかに冷却しましょう。
また、お客さんにできるだけ早めに食べ切るよう促すことも忘れないようにして下さい。
保健所からの指導内容
イベントの実行委員会は、管轄の保健所から下記のように指導されたと報告しています。
・商品を提供するにあたり、キッチンカー(移動販売)の生産能力を超えた要求をしていないかどうか、擦り合わせを綿密に行うこと。
その上で、今後イベントで飲食を提供する場合は、指導内容及び衛生管理を徹底するとコメントしています。
【2】キッチンカーと食中毒 汚染経路とその予防策とは?
どの飲食店でも、食中毒予防の3原則は下記の通りです。
・細菌をつけない(洗浄)
・細菌を増やさない(冷却)
・細菌をやっつける(加熱、殺菌)
食中毒の原因となる細菌は、様々な経路で食品に付着します。これを「汚染経路」と言います。
ここでは、特にキッチンカー(移動販売)という業態で起こりやすい汚染経路とその予防策について解説します。
(1)調理器具を介した食品からの二次汚染
キッチンカー(移動販売)で最も多いのは、「調理器具」が原因となる汚染経路です。
菌の付着した原材料【一次汚染】→ まな板・包丁など → 食品【二次汚染】
原材料である肉や野菜などには、菌が付着しています。これを一次汚染と言います。
その調理に使用した調理器具を、洗浄・消毒せずに他の原材料などに使用することによって汚染が広がるケースを「二次汚染」と言います。
予防のためには、必ず調理器具を原材料ごとに使い分けし、洗浄・消毒を徹底しましょう。
(2)手指を介した食品からの二次汚染
キッチンカー(移動販売)では、調理従事者の「手指」を介して汚染が広がるケースにも注意しましょう。
菌の付着した原材料・お金【一次汚染】 → 調理従事者の手指 → 食品【二次汚染】
他の飲食店の業態とは異なり、キッチンカーでは調理従事者がお金に直接触ることが大半です。その際、お金に付着した菌が、手指から食品へと広がる二次汚染が起こります。
会計後に盛り付ける工程がある場合は、特に注意して下さい。
予防のためには、手指の洗浄・消毒を徹底する必要があります。調理に取り掛かる直前に、丁寧に手洗いすることを徹底しましょう。
使い捨てのビニール手袋の使用もおすすめです。
(3)二次汚染食品等からの汚染(三次汚染)
それ以外にも、食品から食品へと汚染が広がるケースがあります。これを「三次汚染」と言います。
生肉などの食品【二次汚染】 → トングや箸など → 食品【三次汚染】
二次汚染されている食品等に使った調理器具で肉や生野菜などを取り分けてしまい、発生するケースが一般的です。
予防のためには、トングや菜箸などの使い分けを徹底しましょう。これらの調理器具はうっかり使ってしまうミスが発生しやすいので、注意が必要です。
キッチンカーで有効な具体策とは?
食中毒予防の3原則を踏まえ、キッチンカー(移動販売)で対策を行う場合は、ぜひ下記を中心に行ってみて下さい。
【細菌をつけない】
・まな板を使い分けている。
・使い捨て手袋やペーパータオルなどを使用している。
・適切なタイミングで手を洗浄・消毒している。
【細菌を増やさない】
・正しい加熱温度を守っている。
・食材の中心までしっかり加熱処理している。
・適切な保管温度になっている。
・加熱後はすばやく冷却している。
【細菌をやっつける】
・厨房スペースを隅々までこまめに清掃している。
・手指や調理器具の洗浄・除菌・消毒を徹底している。
まとめ:キッチンカーの食中毒は徹底して予防しよう
食中毒は、一度でも起こしてしまうとお客さんからの信頼の回復が非常に困難です。実際に起きた店舗だけではなく、チェーン店の他店舗もしばらく利用したくないと考えるのは、一般的な心理ではないでしょうか。
最悪の場合、廃業に至るケースも少なくありません。
そのため、キッチンカー(移動販売)でも徹底して「起こさない」ことが求められます。
現在、コロナ禍に中止になっていたイベントが各地で再開され始め、キッチンカーは出店場所が増えてきています。
事業を拡大するチャンスでもあるので、衛生管理は徹底して行いましょう。
食中毒対策は、「気をつける」だけではなく、具体的なチェックシートを作ってこまめに確認することをおすすめします。
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