キッチンカーに必須のプロパンガスの購入方法と費用相場
キッチンカーに必須のプロパンガスの購入方法と費用相場
公開日:2023年11月24日- カテゴリー
- キッチンカーの装備・設備
キッチンカー(移動販売)では、調理器具を使用するための「熱源」も車両に一緒に積み込んでおく必要があります。キッチンカーで使われている主な熱源は、プロパンガス(LPガス)、電気、そしてカセットコンロの3種類です。
その中でも、特に利用者が多いのがプロパンガスです。ですが、あまり日常では使用しないため、どのように導入したらよいのかわからない人も多いのではないでしょうか。
今回の記事では、「キッチンカーでプロパンガスを使用するには」をテーマに解説します。
プロパンガスのメリット・デメリット、ガスの購入方法や注意点、費用相場など、キッチンカーに効率よく導入するための情報をまとめていますので、ぜひ参考にして下さいね。
目次
【1】キッチンカーのプロパンガス 基本を押さえよう
プロパンガスをキッチンカー(移動販売)に積む理由や、メリット・デメリットについて解説します。
(1)キッチンカーのプロパンガスとは?
キッチンカー(移動販売)では、調理器具だけではなく、それらを使用するための熱源も車両に一緒に積んでおく必要があります。
現在、最も主流なのはプロパンガスです。
プロパンガスの特徴は、店舗経営や自宅で使われている都市ガスとは異なり、持ち運びできることです。ガスボンベにガスを充填して、車両に積むことができます。
プロパンガスを使用するためには、充填してくれるガス会社との契約が必要です。都市ガスとは異なるので、注意しましょう。
(2)キッチンカーのプロパンガス メリットとは
プロパンガスのメリットは、火力の強さです。都市ガスの約2.3倍ほどの熱量がありますので、強い火力によって料理の旨味を引き出すことができます。「サクッ」「パリッ」とした食感に仕上げたりするメニューには必須の設備と言えるでしょう。
キッチンカー(移動販売)の人気メニューである鉄板料理や揚げ物などのオーナーに、数多くの利用者がいます。
また、強い火力が安定していることも強みです。電気は火力が不安定になることもありますが、プロパンガスにはそれがありません。
スピーディーな調理で回転数を上げることが重要となるキッチンカーに、とても適しています。
(3)キッチンカーのプロパンガス デメリットとは
キッチンカー(移動販売)でプロパンガスを使用するデメリットは、電気やカセットコンロよりも使用するための準備に手間がかかることです。
ガスボンベにプロパンガスを充填する作業は、毎回有資格者の専門業者に行ってもらわなければなりません。
また、一酸化炭素中毒や火災など、電気に比べると事故が起こりやすい傾向があります。近年では、環境への配慮からプロパンガスを使えない出店場所もあるので、注意が必要です。
【2】キッチンカーのプロパンガス 購入方法は?
キッチンカー(移動販売)で使用するプロパンガスの導入・購入について、その方法と注意点を併せて解説します。
(1)「質量販売緊急時対応講習」を受講する
プロパンガスのガス会社と契約する前に、「質量販売緊急時対応講習」を受講します。
この講習は、キッチンカー(移動販売)のオーナー全員が受講しなければならないわけではありません。
「出店場所から30分以上かかるところにガス会社がある」場合に必要です。
経済産業省が通達した高圧ガス保安法では、プロパンガスを販売する条件の一つに「30分ルール」を挙げています。緊急事態発生から原則30分以内に、ガス会社が現場に駆け付けられる範囲であれば販売できるという内容です。
キッチンカーではこの条件を満たすことが難しく、新規契約を断られやすい状況でした。
ですが、このルールは被災地への支援やアウトドアライフにも影響があるため、条件を満たすことで30分ルールから除外できるようになりました。
その条件は、質量販売緊急時対応講習を修了し、緊急時の措置を自分ですることについてガス会社から確認を受けることとされています。
費用相場は約5,000円で、オンライン講座もあります。出店場所まで30分以上かかるオーナーは、必ず受講しておきましょう。
参考:質量販売緊急時対応講習実施者について(経済産業省)
(2)ガス会社と契約する
キッチンカー(移動販売)でプロパンガスを使用するには、ガス会社と契約する必要があります。
ガスの充填や点検作業などを専門業者が行うためです。
(3)指定の場所でガスを充填する
ガス会社との契約後、充填所までガスボンベを持参して、プロパンガスを充填してもらいます。
その際は、必ずガスボンベに「圧力調整器(減圧弁)」を取り付けておきましょう。プロパンガスの圧力を調整する機器なので、これがないと充填してもらえません。
プロパンガスは、ガスボンベ内に残量があっても充填できます。安心するためにも、使い切る前に行くことをおすすめします。
ガス料金は毎回定額かかるわけではなく、充填した分のみを支払います。費用相場は後述しているので、参考にして下さい。
(4)定期的な耐圧検査も必要
購入したガスボンベは、定期的に「耐圧検査」を受ける義務があります。製造年月から起算して3年もしくは5年ごとです。
点検の期日が近づくとガス会社から連絡がありますが、自分でもカレンダーに記録しておくことをおすすめします。
検査の結果、問題がなければまた同じ期間だけ使用できます。問題があった場合は、新しいガスボンベを購入します。
耐圧検査の費用相場は、約3,000〜4,500円です。
【3】キッチンカーのプロパンガス 費用相場は?
キッチンカー(移動販売)で使用するプロパンガスについて、料金形態や費用相場などを解説します。
(1)プロパンガスの料金はガス会社ごとに異なる
プロパンガスは、ガス会社ごとに料金が異なります。人件費や地域、仕入れ値などによって、自由に決められます。
また、料金の公開も義務ではないため、ホームページに記載されていないこともあります。その場合は直接問い合わせて確認しましょう。
都市ガスの料金形態とはその点が異なるので、注意して下さい。
(2)プロパンガス充填料金の目安
【ガスボンベ代】
約13,000円(初回のみ)
【ガス料金】
現時点(2023年8月)のプロパンガス料金の費用相場は、下記の通りです。ですが、前述のようにガス料金はガス会社によって異なるので、あくまでも目安として捉えて下さい。
2kg容器:約1,800円(約900円/kg)
5kg容器:約2,800円(約560円/kg)
8kg容器:約3,500円(約440円/kg)
10kg容器:約4,400円(約440円/kg)
メニューや使用量にもよりますが、キッチンカー(移動販売)では車両に積んだ以上のガスを使えないことを考慮して、5kg以上充填してもらうことをおすすめします。
キッチンカーのプロパンガス 注意点は必ず守って
キッチンカー(移動販売)だけではなく、一般車両で運搬できるプロパンガスの量は10kgのガスボンベ2本までです。
提供するメニューにもよりますが、キッチンカーで使用するプロパンガスの量は「5kgのガスボンベを1日6時間使用して、約3~4日」というのが大まかな目安です。
そのため、10kgのボンベが2本あれば、大半の人は安心できるのではないでしょうか。
それ以外にも、注意点として下記内容が決められています。安全のために必ず厳守して下さい。
・40度以上になる環境にガスボンベを置かない。
・立てた状態でしっかり固定し、保管・使用する。
・火気からできるだけ離れた場所で使用する。推奨は2m以上。
・消火器を常備する。
まとめ:キッチンカーのプロパンガス ぜひ質量販売緊急時対応講習を
プロパンガスは火力が強く安定しているため、スピーディーに料理を提供する必要のあるキッチンカー(移動販売)にとても適しており、大勢の先輩オーナーが使用しています。
プロパンガスを導入する際には、ガスの充填作業を行ってくれるガス料金との契約が必要です。
場合によっては、その前に質量販売緊急時対応講習を受講しておく必要があります。必要かどうかは、ガス会社と出店場所との「時間」によって異なります。
出店場所がガス会社から30分以内であれば、必要ありませんが、30分以上かかる場合は受講する必要があります。
自分で判断するのが難しい場合は、契約したいと考えているガス会社に直接確認してみるのもよいでしょう。
プロパンガスは、他の熱源よりも漏洩や火災などの危険性が比較的高いため、キッチンカーオーナーは30分ルールにかかわらず全員知識として持っておくことをおすすめします。
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