キッチンカーの給水タンクは何L必要?給水タンクの選び方を解説
キッチンカーの給水タンクは何L必要?給水タンクの選び方を解説
公開日:2023年9月22日 2024年6月19日 更新- カテゴリー
- キッチンカーの装備・設備
キッチンカー(移動販売)を製作・購入する際に悩む人が多いのは、「給水タンクのサイズ」です。
店舗型とは異なり、キッチンカーは給水タンクに積んだ量の水しか使えないため、迷ってしまうのはむりもありません。
現在、キッチンカーの給水タンクのサイズは、約40L・約80L・約200Lの3種類です。他の車両設備とは異なり、サイズや許可の範囲などが全国的に統一されています。
今回の記事ではそんな「キッチンカーの給水タンク」をテーマに、各サイズで許可される内容やメリット・デメリットなどについて解説します。
法改正後それほど経っていないため、キッチンカーの中古車の給水タンクは、以前のサイズと現在のサイズとが混ざっています。
そのため、給水タンクのサイズと許可の範囲は、ぜひ自分でも知っておくことをおすすめします。
目次
給水タンクは40L程度・80L程度・200L程度の3種類
2021年6月の食品衛生法改定によって、給水タンクのサイズは40L程度・80L程度・200L程度の3種類に統一されました。
給水タンクのサイズは、提供メニューの数や調理工程とも関係します。
40L程度…提供メニューは1種類。調理は1工程。
80L程度…提供メニューは数種類OK。調理は約2工程。
200L程度…提供メニューは数種類OK。調理は複数工程。仕込みOK。
各サイズの具体的な許可範囲については、次の段落から詳しく解説しています。ぜひ参考にして下さい。
ちなみに、給水タンクのサイズは全国共通ですが、提供メニュー数や調理の工程などはまだ統一されていないので、注意しましょう。
出店場所を管轄する保健所に確認したうえで、車両製作や購入を行うようにして下さい。
給水タンクは「メニュー数」と「調理工程」で選ぶ
給水タンクのサイズ選びは、「メニュー数」と「調理工程」がポイントです。
キッチンカー(移動販売)で調理できるメニュー数と調理工程は、タンクのサイズで決められています。
まずは40L・80L・200Lのタンクでできることをしっかり押さえておきましょう。
【1】40Lの給水タンク 調理は1工程でメニューは単品
40L程度の給水タンクでできる調理は、「温める」「揚げる」「盛り付ける」から1工程です。そのため、例えば「からあげを揚げ、丼として盛り付ける」ということはできません。
車内での仕込みができず、野菜や果物などのカットも禁止です。提供する際の容器は、使い捨てのものに限られます。
また、提供できるメニュー数も1つに限られます。からあげの場合はからあげ単品のみになり、サイドメニューやドリンクなどは提供できません。
40Lと迷ったら80Lがおすすめ
40Lの給水タンクは、できることが非常に限られています。もしも40Lと80Lとで迷っているようであれば、80Lをおすすめします。
また、最初は40Lの給水タンクでスタートし、開業後に80Lに増やすこともできます。その場合は、あらかじめそのためのスペースを確保しておいたほうがよいでしょう。
【2】80Lの給水タンク 調理は2工程まででメニューは複数OK
80L程度の給水タンクは、2工程までの調理が可能です。焼いてから盛り付けまでできるようになるので、クレープやハンバーガーといった本格的な料理も提供できます。
提供できるメニュー数も、複数に増えます。ですが、具体的な数については決められていないので、出店場所を管轄する保健所に必ず確認しましょう。
40Lの給水タンク同様、車内での仕込みはできず、提供時の容器は使い捨てのみです。
使い勝手抜群の80Lタンク
80Lの給水タンクを搭載すると、提供できるメニューが一気に増えます。そのうえ軽くて扱いやすいので、現役キッチンカーオーナーにも最も多く選ばれています。
水を大量に扱うメニューではなく、車内での仕込みも行わない場合は、80Lがおすすめです。
【3】200Lの給水タンク 工程もメニューも複数OK
200Lの給水タンクは、複数工程の調理が可能です。メニューも複数提供できます。また、使い捨てではない通常の食器の使用も認められるようになります。
車内での仕込みも、大半の保健所では許可しています。ですが、保健所によっては許可していない場合もあるので、注意しましょう。
麺類の提供には200Lの給水タンクが必須
うどんやラーメンなど、大量の水を必要とする麺類には200Lの給水タンクが必須です。
サイズと費用の負担がデメリット
200L程度の給水タンクを搭載すると、調理するうえでの不都合を感じることはほとんどなくなります。車内で仕込みができ、複数工程の調理も可能なので、本格的な料理を提供したい場合は特におすすめです。
ですが、その分給水タンクのサイズも大きくなるため、大型の車が必要になります。また、車両購入費やタンクのメンテナンス費用など、金銭的な負担がかなり大きくなるデメリットがあります。
キッチンカーの給水タンクを入手するには
ここでは、キッチンカー(移動販売)の車両に給水タンクを実際に設置するための方法を紹介します。
【1】自分で給水タンクを設置する
40~80Lサイズの場合、車内に自分で給水タンクを設置するのもおすすめです。小型の車種で、水をあまり使わない先輩オーナーによく選ばれている方法です。
給水タンクを購入する前は、必ず保健所に確認し、営業許可のおりるものを選びましょう。保健所によっては、種類やタンクの固定の方法などを細かく定めている場合があります。
また、シンクとして使う場合は、蛇口も自分で設置する必要があります。シンクや蛇口にも許可基準はあるので、注意しましょう。
【2】給水タンクが搭載してある車両を製作・購入する
給水タンクのサイズは、食品衛生法改正の前後で異なります。そのため、これから車両を製作・購入する際にはいくつか注意が必要です。
【新車の場合】
新車のキッチンカーの場合、食品衛生法改正の内容が反映された給水タンクが搭載されていることが一般的です。そのため、希望するメニューや調理内容が実現できる給水タンクになっているはずです。
ですが、念のため、製作実績の多いキッチンカー専門業者を選び、法改正について理解しているかどうかを確認したうえで購入等を行うと、よりスムーズです。
初期費用は他に比べて高くなりますが、その後の維持費やメンテナンス費用、修理費用などを考えると、新車を製作・購入したほうが結果的に安く済むケースもあります。
【中古車の場合】
中古車を購入する場合は、必ず給水タンクのサイズを細かく確認しましょう。サイズが正確ではないと希望するメニューを提供できなくなってしまいます。
また、安い金額で購入できるからと言って、オークションや通販で購入するのはやめましょう。
まとめ:キッチンカーのタンク選びは保健所ともよく相談を
営業許可の基準は、2023年8月の現時点ではまだ全国共通ではありません。許可がおりる車両設備やメニューの数などは、保健所によって異なります。
そのため、キッチンカー(移動販売)の給水タンクのサイズも、まずは保健所でよく確認したうえで選ぶようにしましょう。
複数品目の具体的な数や、調理工程の限度などについては、まだ各保健所に委ねられたままの部分がたくさんあります。
確認などの際には、必ず「出店場所」を管轄している保健所へ行きましょう。複数の場所に出店したいと考えている場合は、すべての保健所の合格基準を満たした車両を製作する必要があります。
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