キッチンカーの図面作成時の注意点!事前に確認するポイント
キッチンカーの図面作成時の注意点!事前に確認するポイント
公開日:2024年2月16日キッチンカー(移動販売)は、保健所から営業許可を取得しないことには開業できません。衛生管理の水準を満たした車両かどうかを確認してもらい、合格する必要があります。
保健所とは、車両製作よりも先に「事前相談」を行います。まずは図面で車両設備をチェックしてもらうことで、営業許可をスムーズに取得できるのです。
今回の記事では、「キッチンカーの図面作成」をテーマに解説します。
記事前半は、図面作成時や事前相談の注意点について、後半では、作成前に確認するべき8つのポイントについて紹介します。
車両に何を設置すればよいのかわからないという人は、ぜひ本記事を参考にしながら確認して下さいね。
【1】キッチンカーの図面作成の注意点を押さえよう
キッチンカー(移動販売)車両の図面を作成する理由や、保健所に提出するタイミングなどについて解説します。
(1)キッチンカーの図面は何のために作成する?
キッチンカー(移動販売)は、「HACCP(ハサップ)」という衛生管理の基準に基づいて営業する必要があります。
HACCPとは、食品等事業者自らが、食中毒菌汚染や異物混入等の危害要因を把握したうえで、製品の安全性を確保するために行う衛生管理の国際的な基準です。
2021年6月に、原則すべての食品等事業者に義務化されました。
キッチンカーに使用する車両も、保健所の合格基準を満たしているかどうか確認してもらう必要があります。
車両準備前にまず図面をチェックすることで、車両設備の作り直しの手間を省くことができるのです。
車両製作・購入は、保健所のOKが出てからにしましょう。
(2)図面はどのように作成する?
図面は、紙に手書きしたもので問題ありません。保健所の職員が読めれば、メモでも大丈夫です。
初めて事前相談に行く前は、「職員が怖いのではないか」と誰でも不安に思うものです。
ですが、丁寧にアドバイスしてくれる人ばかりなので、ぜひ気を楽にして相談へ行きましょう。
(3)事前相談前に決めておくことは?
保健所の事前相談に行く前に、下記の2点だけは最低限決めておきましょう。
・メニュー
・出店場所
キッチンカー(移動販売)の車両設備は、メニューによって異なります。タンクのサイズや冷蔵設備なども変わるので、設置し直さなくて済むよう、メニューを確定してから行きましょう。
また、出店エリアによって保健所の合格基準が異なるため、必ず出店場所を決めてからにして下さい。
数ヶ所に出店する場合は、各管轄の保健所すべての合格基準を満たす車両を準備する必要があります。
【2】キッチンカーの図面作成 事前に確認するポイントとは?
キッチンカー(移動販売)で使用する車両の合格基準は、保健所によって違いはあるものの、重要な部分はある程度共通しています。
ここでは、図面作成前に確認するべきポイント8つについて解説します。
中には義務付けられていない設備もあるので、事前相談の際に自分でよく確認しましょう。
(1)運転席と厨房スペースに間仕切りを設置する
軽バンや大型バンなど、運転席と厨房スペースの間が区切られていない車両の場合、「間仕切り」を設置することが一般的です。
素材や設置方法が指定されていることもあるので、事前相談でよく確認しておきましょう。
素材は、硬くて防水加工が施されているものが一般的です。木材は許可されないケースが多いので、注意して下さい。
車体の揺れでも外れないようにがっしりと取り付け、大きな隙間ができないことを求められます。
(2)清掃・洗浄・消毒しやすい材質
キッチンカー(移動販売)の車両設備は、基本的に防水・撥水加工であることが求められます。特に、床、内側の壁、天井、調理台などは厳しく確認されます。
保健所によっては材質まで指定されていることもあるので、必ず確認しておきましょう。
(3)給排水タンクのサイズ
2021年6月以降、給水タンクは40L・80L・200Lの3種類に統一されました。
タンクのサイズによって、キッチンカー(移動販売)で提供できるメニューや品目数などが変わってしまうので、正確に確認しましょう。
- 40L:1種類の品目のみ/簡易調理/仕込みNG
- 80L:複数品目OK/約2工程程度までOK/仕込みNG
- 200L:複数品目OK/複数工程OK/仕込みOK
給水タンクと排水タンクは、同じサイズを1つずつ搭載する必要があります。
(4)手洗い・洗浄用シンク
シンクは、手洗い専用と調理道具の洗浄用をそれぞれ1槽ずつ設置することが一般的です。シンクの数は、保健所によって異なります。
また、サイズについても、長さ・奥行き・深さを細かく指定しているケースもあります。首都圏のほうが条件が厳しいので、出店予定の人は注意しましょう。
材質はステンレスが基本です。
(5)冷蔵庫・冷凍庫など
冷蔵庫や冷凍庫などの冷蔵設備は、どの車両でも必要です。業務用の製品ではなく、家庭用で問題ありません。
なお、ポップコーンや綿菓子といった保冷する必要がない食材であれば、設置しなくてもよいケースもあります。
(6)換気扇
大半の保健所は換気扇の設置を義務付けていますが、一部には必須ではないエリアもあります。
ですが、車内に空気が滞ってしまうと衛生的ではないので、義務ではなくても設置することをおすすめします。
特に、火を使うメニューの場合、夏場の厨房スペースの温度は50℃を超えることもあります。停車中のキッチンカー車両はエアコンを使えないことが多いので、熱中症対策としてもおすすめです。
取り付ける前には、換気扇のサイズや設置場所などを保健所でしっかり確認して下さい。車両の壁に穴を開ける必要があるので、専門業者に依頼しましょう。
(7)蓋付きのゴミ箱・扉付きの収納スペース
害虫やネズミなどの侵入を防ぐために、ゴミ箱は蓋付きである必要があります。
収納スペースも、走行中に揺れても中身が飛び出さない扉付きが一般的です。
いずれも、隙間があると営業許可がおりません。よく確認した上で購入しましょう。
(8)石鹸・消毒薬など
石鹸や手指消毒薬、アルコールスプレーなどは、必ずシンクの近くに設置して下さい。どの保健所でも必ず確認します。
些細なことに感じられるかもしれませんが、設置していないと営業許可は取得できません。
開業後も、在庫を切らすことがないように常に準備しておきましょう。
まとめ:キッチンカーの図面 アドバイスを「聞く」ほうが重要!
キッチンカー(移動販売)の車内を記した図面は、車両準備の前に保健所へ持っていき、アドバイスを受けるために必要です。
事業用車両が、営業許可を取得できる衛生基準かどうかをチェックしてもらうためです。
図面は、あくまでも「保健所から車両製作のアドバイスを聞くためのもの」というイメージで構いません。
PCで丁寧でキレイに作る必要はなく、保健所の職員が見てわかるようであれば、手書きのメモでも問題ありません。
今回の記事で紹介した8つのポイントは、どの都道府県でも義務付けられていることが多い重要な項目です。まずは自分の車両に盛り込まれているかチェックしてみて下さい。
保健所の事前相談で補うべき部分をアドバイスされたら、サイズや個数、材質など、合格基準について細かく聞き取り、車両製作の際に盛り込みましょう。
一つでも欠けていると、営業許可は取得できません。曖昧な部分は何度も保健所で確認したうえで、車両準備に着手することをおすすめします。
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