キッチンカーの排水処理の方法と給排水タンクの注意点
キッチンカーの排水処理の方法と給排水タンクの注意点
公開日:2024年6月21日- カテゴリー
- キッチンカーの装備・設備
キッチンカー(移動販売)の車両になくてはならない設備である、給水用・排水用タンク。このタンクの水を捨てるにはどうすればいいのか、あまりイメージが湧かない方も多いのではないでしょうか。
今回の記事では、「キッチンカーの排水処理方法」について解説します。
給排水タンクの水を誤った方法で捨てると、罰金や罰則が科せられることがあります。しっかりと正しい方法を身に着けておきましょう。
それ以外にも、給排水タンクの手入れ方法やサイズの選び方など、タンクについての関連情報をまとめて紹介しています。開業後にも使える「給排水タンクのマニュアル」として、ぜひ最後までチェックしてくださいね。
目次
キッチンカーの排水処理方法とは?
キッチンカー(移動販売)を営業するためには、給水・排水タンクを各1つずつ積載した車両を準備する必要があります。
それによって飲食店営業許可(営業許可)がおり、営業を開始できます。
ここでは、給排水タンクに溜まった排水を処理する方法について解説します。
(1)排水は家庭か仕込み場所のシンクに流す
排水タンクに溜まった水は、家庭か仕込み場所へ持ち帰って捨てることが一般的です。ただし、シンクに流せるのは排水量がそれほど多くない場合です。
排水量が多い場合は、詰まりを防止するために「汚水桝」に直接流すようにしましょう。その際、まずは生ゴミをネットですくい、その後で汚水桝に流すことをおすすめします。
(2)公園・道路の排水溝に流すのは法律違反
排水処理の方法は全国共通ではなく、保健所によって少しずつ異なります。ですが、どの保健所でも全面的に禁止しているのが「公共の場へ捨てる」ことです。
例えば、排水を公園のトイレや道路の排水溝などに流すと、法律違反と見なされます。
5年以下の懲役もしくは千万円以下の罰金、あるいはその両方が科される可能性があるので、絶対にやめましょう。
参考:廃棄物の処理及び清掃に関する法律第25条(e-GOV)
(3)必ず管轄の保健所に方法を確認する
上段で紹介した通り、排水処理の方法は保健所によって異なります。開業前に必ず「排水を行う場所」を管轄する保健所によく確認したうえで行いましょう。
キッチンカーの給排水タンク 購入・手入れ方法とは?
キッチンカー(移動販売)で使用する給排水タンクの、購入方法や手入れ方法について解説します。
(1)購入場所
給排水タンクの購入は、費用を抑えやすい通販サイトが最もおすすめです。「直接大きさを確認してみたい」という人はホームセンターへ行ってみてください。
キッチンカー(移動販売)のタンクは、清掃の度に持ち運ぶ必要があります。そのため、取り扱いしやすい小さなサイズがおすすめです。
80Lのタンクを積載する場合は、20Lを4つか、40Lを2つがよいでしょう。
大きなサイズのタンクは重いだけではなく、値段も高くなります。小さなサイズを複数購入したほうが費用を抑えられることも少なくありません。
なお、タンクの購入前には、必ず出店場所を管轄する保健所で確認するようにしてください。せっかく購入しても、営業許可の審査基準を満たしていないと使うことができません。
(2)手入れ方法
給排水タンクの手入れは、下記の手順で行います。
- 給排水タンク内の水をすべて捨てる。
- 排水タンクは、底に溜まった細かいゴミやくずをよく洗い流す。
- タンクに水と塩素系除菌漂白剤や重曹を入れ、2分ほど置いておく。
※タンクの材質によって塩素系除菌漂白剤か重曹を選びます - 中身をすべて捨てる。漂白剤が残らないよう、しっかりと水ですすぐ。
- できれば乾燥させる。
水による清掃は毎日、漂白剤を使用した清掃は3日に1回の頻度で行いましょう。
キッチンカーの給排水タンク 各サイズでできること
キッチンカー(移動販売)で使用する給排水タンクのサイズは、全部で3種類あります。サイズは全国共通です。
給排水タンクは、同じサイズを積載します。給水タンク40Lの場合、排水タンクも40Lです。
ここでは、各サイズに許可されているメニューの数や調理工程などについて解説します。
給排水タンクをテーマに解説した記事があります。ぜひそちらも参考にしてください。
参考:キッチンカーの給水タンクは何L必要?給水タンクの選び方を解説
(1)約40L
メニュー数:単品
調理の工程数:1工程
仕込み:不可
約40Lのタンクに許可されている調理工程は、1工程です。「温める」「揚げる」「盛り付ける」の中からいずれか1つを選びます。
からあげを提供したい場合は、揚げることしかできません。からあげ丼のようなアレンジメニューは不可です。
また、メニュー数が単品に限られているため、ドリンクやサラダといったサイドメニューも販売できません。
キッチンカー(移動販売)を本業として考えている場合は、約40Lでは難しいものがあるでしょう。副業として休日に出店する場合におすすめです。
(2)約80L
メニュー数:数種類
調理の工程数:約2工程
仕込み:不可
キッチンカー(移動販売)のオーナーに最も選ばれているのが、約80Lのタンクです。約2工程までの調理ができるようになります。
約80Lの場合は、からあげを揚げてから丼として盛り付ける、クレープ生地を焼いてからトッピングする、といった調理が可能です。
メニューのバリエーションが一気に広がります。
また、販売できるメニュー数も複数可能です。ですが、具体的な数は全国共通になっていないので、必ず管轄の保健所で確認しましょう。
(3)約200L
メニュー数:数種類
調理の工程数:複数工程
仕込み:可
約200Lのタンクは、調理の工程数が複数に増えるため、調理上の不便を感じることがほとんどなくなります。
ラーメンやうどんなど、大量の水を使うメニューの調理におすすめです。
約200Lの場合は、車内での仕込みを許可されることが一般的です。ですが、許可していない保健所もあるので注意しましょう。
繰り返しになりますが、具体的なメニュー数や工程数は、必ず出店場所を管轄する保健所で確認してください。
給排水タンクのサイズも必ず保健所に相談する
給排水タンクのサイズは、購入前に必ず「出店場所」を管轄する保健所で確認しましょう。
今回の記事では一般的なタンクについて解説していますが、許可される範囲は保健所によって少しずつ異なります。
キッチンカー(移動販売)は、保健所から営業許可がおりないかぎり開業できません。そのため、しっかりと保健所でタンクのサイズについて確認する必要があります。
保健所へ行く際には、販売予定のメニューと、車内で行いたい調理工程を決めておきましょう。
まとめ:キッチンカーの排水処理は保健所での確認が重要
キッチンカー(移動販売)ビジネスでは、保健所での確認がとても大切です。もし購入したタンクのサイズが足らない場合は、営業許可がおりません。
曖昧な点がある場合は、車両製作よりもまず保健所での確認を済ませましょう。
開業した後も、排水処理や手入れなどのルール・方法などを必ず守ってください。法律違反や食中毒の原因になりかねません。
近年、企業による異物混入事件などが相次いでいます。その影響もあり、食の安全に対する関心は以前よりも高くなっています。
一度食中毒を起こすと、たとえ営業再開しても軌道に乗せるのは難しいでしょう。
給排水タンクの清掃は地味な業務ではありますが、自分の店やお客さんを守るうえでとても大切です。
排水処理関連のトラブルは絶対に起こさないことを心がけて営業しましょう。
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